
代表の独り言
マイナス思考を長所にする!ネガティブな考えは、実は仕事のできる人。
朝起きた瞬間から仕事を終えて家路に着くまで、分刻みで時計を見るのが当たり前。そんな生活が長くなると、必ず自分のあり方や仕事観に疑問を持つ日が訪れます。
「私はちゃんと職場の役に立ててる?」「今の仕事、私に向いてないかも。」「そもそも私にとって、仕事って何?」…etc。
「忙しい今」と「私」を切り離して答えを探す
多くの場合、仕事や職場で自分の存在価値がわからなくなると、「能力のなさ」か「やる気のなさ」が自分の問題点だと思い込んでしまいます。
「私の能力不足が一番の問題なのかもしれない」「私はやる気のないワガママな人間なのかもしれない」などですね。
しかしながら、ネガティブな自分というものは「今」という立ち位置から見定めようとしても、なかなかクリアに捉えることができないと思います。
時間に追われている現状においては、頭も気持ちも一杯一杯になっていて、必要以上に自分を責める方向へと気持ちが傾くからです。
「マイナス思考は短所」という誤解
元々ネガティブな思考回路を持っている人というのは、まわりの環境を冷静に見ることに長けていると思います。
問題がなさそうに見える職場、うまく回っているように見える仕事の進め方にも安堵することは少なく、マイナス点を察知していきます。
実はマイナス思考というものは、仕事をしていく上でも生きていく上でも大いに役立つ長所になります。
ネガティブな人というのは、「細心の注意を払っていなければ、大変なことになるかも知れない」という不安感を常に持っています。
この不安感がネガティブパーソンにとっては大きな強みであり、仕事を完遂させようという強い動機にもなっていると私は思います。
ネガティブな人ほど完璧な仕事をする
マイナス思考の人というのは、「気を抜くとミスにつながるかも知れない」「大きな問題が起こるかも知れない」という危機感を持って、全ての仕事に携わっていきます。
つまり、マイナス思考の人は大きなミスやトラブルを起こさないという長所を持っていることになると思います。
マイナス思考の人たちの仕事の仕方としては、こんな特徴が見受けられます。
①作成した書類に不備がないか、入念にチェックする。
②どんなに優しいお客様に対応するときでも、万が一のトラブルを考えて丁寧に接する。
③取引先の人と会う場合、事前準備と早めの行動を怠らない。
崩れない基本姿勢
遅刻は厳禁。ミスを防ぐにはチェックが肝心。どんなお客様にも心を込めて応対する…。
社会人として守らなければならない基本姿勢というものは、誰もが新人の頃に諸先輩方から教わります。
しかし時の経過と様々な社会経験によって、多くの人は初心を忘れてしまいがちです。
そして薄れてきた初心の代わりに、うまくかわす・適当にごまかすなどの邪道を仕事のコツのように錯覚してしまう人が多く存在します。
マイナス思考の人は怖がりですので、ミスをすることもそれをまわりから指摘されることも恐れる傾向があります。
このためマイナス思考の人たちの多くは、共通して「仕事に対する基本姿勢が崩れない」という長所を持っていると思います。
あなたの存在価値を決める人
仮に会社の創設者やトップに立っている人が二者を比較した場合、「仕事ができる人」はどちらだと判断するでしょうか。
「これからも是非、会社に居てほしい人」とは、どちらだと思いますか?
・基本行動を大切に守り抜き、ほとんどミスをしない人
・自分の欠点やミスを適当にごまかし、うまくかわせる人
答えがどちらなのかについては、あえて説明の必要もありませんね?
職場における自分の存在価値というのは、自分で見極めるのが難しいものです。
私は成長したという実感も、そう頻繁に訪れてくれるものではありません。
迷ったときには、社会に一歩足を踏み出した頃のことを思い起こしてみると良いと思います。
会社の代表や職場の責任者の人たちは、新人に対して「どんな社員になってもらいたいか」を伝えたはずです。
毎日指導に当たってくれた先輩から言われた、印象的な言葉もきっとありますね。
・職場の人たちにちゃんと挨拶をするように。
・まわりに迷惑をかけないように、よく自分でチェックして。
・ちょっとした気のゆるみが大きなトラブルに発展することがあるんだよ。
懐かしい「あの頃」のことを思い出してみると、案外ネガティブな人よりも、ポジティブな人の方が危なっかしい点を持ち合わせている可能性すら見えてきます。
マイナス思考は長所です
マイナス思考の人は、確かにミスはしないけど、細かい方にばかり気持ちが行って、新しいことにチャレンジしたり大きい仕事ができないんじゃない?…というような意見を言う人が時折見られます。
しかし、これも誤解です。
いつの時代も世間を大きく動かしてきたものは、「これでいいじゃん」というポジティブ思考ではなく、「こんなの不便」「もっとこうだったらいいのに」というネガティブな欲求が出発点になってきたはずだからです。
宅配便のサービス1つにしても、「荷物が送れればOK!」と思うお気楽な人しかいなければ、クール配送も時間指定サービスも生まれませんね。
家電がどんどん進化していくのも、携帯電話がどんどん軽量化し便利になっていくのも同じことです。
随分前の話になりますが、ある会社の社長が、社員に対して「自社のマイナス点やダメなところを書いて提出してほしい」というお願いをしたことがあります。
その会社はその後、各部署の社員から挙げられた沢山のマイナス点を改善し、今では世界の主要先進国においてその名を知らぬ人が居ないほどの有名企業になりました。
満足するのはお客様の役割で、私たちの仕事は不満を持つこと。
そんなふうに仕事を捉えてみるのは大事な事だと私は思います。
不安感があるからこそトラブルは回避できるわけだし、不満があるからこそ理想というものも見えてくるわけですから。