悩むときは、思いっきり悩んでいい。──逃げずに向き合い続けた、一か月の話。

毎日、深夜0時。

会社を出て、家へ帰ります。

夜はもう、すっかり肌寒くなってきました。

そろそろ、クローゼットから、
タートルネックを出そうか。

そんなことを考えながら、
夜道を、歩いて帰っています。

 

家に着いたら、
まず、パソコンの電源を入れる。

立ち上がるのを待つあいだに、
ジャケットを脱いで、スウェットに着替える。

そして、画面の前に腰を下ろす。

僕の毎晩の習慣です。


でも、つい先月は。

キーボードの上で、何度も手が止まる。
そんな夜が続いていました。

書いては、消して。
また、書いては、消して。

 

今、本を書いています。

以前、このブログでもお話ししました。

文章の才能なんて、僕にはありません。
誰かに教わったわけでも、ない。

それでも、どうしても。
残したい、と思ったものがあって。

素人のまま、書くと決めた。
経験がないことを、始めない理由にはしたくない。

そんな気持ちで、書き始めた本です。

 

書き始めたのは、今年の6月。
あれから、5か月目に入りました。

今は、全体の8割ほど。
ゴールが、少しずつ見えてきたところです。


ただ、ここまでの道のりは。

まっすぐ進んできた、わけではありません。

むしろ、進んでは戻り、
また進んでは、戻り。

その繰り返しでした。

 
 

 

 

 

一か月で、背骨はできた

実を言うと、

本の”背骨”は、書き始めて一か月ほどで、
一気に作りきりました。

最初から最後まで。
タイトルも含めて、ひと通り。

本全体の、骨組み。
それは、そこで出来上がったんです。


ただ、”完成”という終着点から見ると。

その時点では、まだ四割ほど。

前回のブログで、
「完成まで、まだ四割くらい」とお伝えしたのは、
ちょうど、この地点のことでした。

▶︎素人のまま、書くと決めた。──「経験がない」は、始めない理由にはならない。

背骨は、できても。
そこからが、本番でした。


 

 

 

 

ひたすら、言葉を磨いていた

骨組みができてから、今日まで。

やっていたことは、ひとつです。

ただ、ひたすら。
言葉を磨いていました。

自分が書きたいことを、本当に書けているか。
きれいに、まとめようとしていないか。
足りていない一言が、あるんじゃないか。

一文、一文。
そうやって、見直していきました。

 

最初に書き上げた時は、約十五万文字。

一周、磨き直して、十二万文字。
また一周して、今は、十万文字くらい。

読み返すたびに、
いらない言葉が、削れていきました。

削って、削って。
でも、まだ足すかもしれないし、また削るかもしれません。


そうやって、少しずつ。
完成に、近づいているところです。


 

 

 

 

九月、手が止まった

冒頭で、少し触れました。

何度も書き直したのに、結局、一文字も前に進めなかった夜。

あれは、先月――
九月のことです。


なんだか、しっくりこない。

でも、何が原因なのか、分からない。

自分が、何を求めているのか。
どこを、どうしたいのか。

それが、見つからない。


三歩進んで、二歩下がる。
いや、十歩下がっていた夜も、あったかもしれません。

モヤモヤが、晴れない。

そんな停滞した一か月を、
ずっと、重たい気持ちのまま過ごしていました。

 

正直、苦しかった。

 
 

 

 

 

ほどけた、瞬間

そして、十月。

宮崎へ出張に行って、
その後、少し落ち着いた頃。

自分の中で、すーっと――
何かが、ほどけていく感覚がありました。

 

たとえば、原稿のある一文を読む。

「ここは、いい。
あの時の気持ちが、ちゃんと情景で伝わってくる」

別の、ある一文を読む。

「ここは、並べすぎだ。
気持ちを、言葉で説明しているだけになっている」

「この一文は、いらない」

 

どこを残して、どこを削るのか。
自分が、どうしたいのか。

それが、一つずつ、
はっきりと、分かるようになっていったんです。

あれだけ晴れなかったモヤモヤが、
ようやく、晴れました。


そこから今日まで、十日ほど。

本の制作が、一気に進みました。
自分でも、驚くくらいに。

停滞していた一か月が、嘘みたいでした。

 
 

 

 

 

逃げなかったから、だと思う

この一連の出来事で、改めて思ったことがあります。

九月の、あの一か月。
苦しくて、答えも出なくて。

素人の自分が、
手を出してはいけないものに、
手を出してしまったんじゃないか。


でも、僕は、
目の前のことから、逃げることだけはしませんでした。

モヤモヤしたまま。

でも、
毎日、キーボードに手を置いた。

書いて、消して。
また、書いて。

進んでいる実感なんて、
ほとんどなかった。

それでも、やめなかった。

 
もし、あの時。
苦しいからと、パソコンの前に座るのを、やめていたら。

今感じている”ほどけた感覚”は、
手に入らなかったと思います。

逃げてしまっていたら、
きっと、何も生まれなかった。

 
 

 

 

 

一年前の自分に、付け加えたいこと

一年ほど前。
僕は、このブログで、こう書いたことがあります。

「悩む時間は、できるだけ短くしたほうがいい」と。

▶︎悩んでも答えは同じ?悩む時間を短縮して、成果を加速させた僕なりの方法


今でも、その考えは変わっていません。

頭の中だけで、ぐるぐる考えて、
手が、止まってしまう。

そんな時間は、やっぱり、もったいないから。

 

ただ、今回。
一つ、気づいたことがあります。

九月の僕は、
ずっと、モヤモヤしていました。

でも、手だけは、動かし続けていた。

書いては、消して。
また、書いて。


答えが出ないことと、手を止めてしまうことは、同じじゃない。

一年前の自分には、
その違いが、まだ見えていませんでした。

 
 

 

 

 

悩むときは、思いっきり悩んでいい

そのうえで、今なら。
もう一つ、思うことがあります。

動くことさえ、止めなければ。

 

悩むときは、思いっきり悩んでいい。

 

無理に、答えを出そうとしなくていい。
きれいに、片付けようとしなくていい。

モヤモヤするなら、
モヤモヤしたまま、でいい。


ただ、一つだけ。

その悩みから、逃げないこと。
向き合うのを、やめないこと。

苦しくても、
目の前のことに、手を置き続ける。

 

答えは、すぐには出ないのかもしれません。

向き合い続けても、
すぐには、ほどけない悩みもあると思います。


でも、少なくとも、僕には。

あの時、
逃げずに続けたから、
すーっと、ほどける瞬間が訪れました。

悩んでいた時間は、
止まっていたわけじゃ、なかった。

九月があったから、十月があった。
今は、そう思えます。

 

だから、今夜も。

家に帰って、
画面の前に、腰を下ろします。

きっと、また。
書いては、消して、を繰り返す。

手が止まって、
動けなくなる夜も、あるでしょう。


それでも、逃げずに。

明日の夜も、僕はきっと、
この場所に、座っています。

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代表ブログ

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  • 「ちょっと、いいですか」──その一言が、いちばん嬉しい。
  • 初めて休んだ、日曜日。──進み続けることだけが、正解じゃない。
  • 終わりと、始まりは、隣り合っている。──”手放す”は、過去を無駄にすることじゃない。
  • 「おじさんって、思われてないかな」──年を取るのがこわい。でも、今の自分でいいと思えた話。

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