
代表の独り言
メリットよりもデメリットに目を向ける方が、よりよい判断ができるようになる。
「あのとき、ああしていれば…」「止めておけば良かった…」
このように自分の判断に後悔することが多い人は、メリットにばかり目が向いてしまっているのかも知れません。
物ごとには必ずデメリットが存在します。
デメリットは、物事を適切に判断するために欠かしてはならない判断材料と思います。
今回は、よりよい判断をしていく上でデメリットに目を向けた方が良い理由について私なりの考えをお話ししたいと思います。
メリットにばかり目を向ける人は判断を誤る
何を判断するにも、メリットを知っておく必要はあります。しかし、メリットにばかり目を向けていると他の情報が死角に入ってしまい、適切な判断ができなくなります。
ここでは、メリットにばかり意識が向かう人の傾向を紹介します。
自分の選択に対し良いイメージしか浮かばない
メリットにばかり気を取られると、自分の選択が良いこと尽くめのように思え浮き足だちます。メリットしか見えていなければ物ごとの全体像を正しく掴めないので、適切な判断はできなくなります。
メリットとデメリットは表裏一体だという認識が薄い
物ごとの選択には、必ずメリットとデメリットが存在します。身近な例では、激安というメリットがある商品には、長持ちしない・壊れやすいというデメリットが潜んでいることがよくありますね。
メリットにばかり意識が向かう人というのは、「メリットの裏にはデメリットがある」という認識が薄い傾向があります。
後からデメリットに気づき後悔する
メリットにばかり意識が向かう人は、何かを判断した後にデメリットに気づき、後悔することがよくあります。デメリットを事前に掴んでおかなかったことにより、後から後から「知らなかった…」「こんなはずじゃなかったのに…」という想定外の出来事に襲われるのです。
例を見てみましょう。
- 面白そうだと思って新規プロジェクトを引き受けたが、自分の能力や特技が生かしにくい仕事内容だった。
- 以前より高給というメリットに惹かれて転職してみたら、想像以上にハードワークを強いられる職場だった。
デメリットを判断基準にするべき4つの理由
デメリットを見落とさずに物事を決めると、よりよい判断ができるようになります。ここでは、デメリットを判断基準にするべき4つの理由をご説明します。
① 失敗する可能性が低くなる
デメリットを判断基準にする人は、「自分が行動することを選択した場合」と「行動しないことを選択した場合」双方のデメリットを考えます。行動したケースとしなかったケースを想定し、比較検討して判断しておけば、失敗する可能性は低くなります。
② リスクヘッジができる
デメリットを判断基準にすれば、自分の選択にどんなリスクがあるかを掴むことができます。予めどんなリスクが起こるかを知ることにより、リスクヘッジが可能になります。
③ トラブルにスピーディに対応できる
デメリットを判断基準にしている人は、最悪のケースまで想定した上で物ごとを判断します。自分の選択によって起こり得るトラブルを想定しておくことにより、万が一トラブルが身に降りかかってきたときにもスピーディに対応することが可能になります。
④ 自分自身で注意喚起ができる
普段からデメリットに意識を向けている人は、自分で自分に向かって「本当に大丈夫?」という注意喚起ができます。仮に周りの人がメリットばかりを訴えてきたとしても、そのまま鵜呑みにせず自らデメリットを収集していくので、よりよい判断が可能になるのです。
人生は判断の積み重ねで築かれる
ここまで、デメリットを判断基準にすると、よりよい判断ができるということをご説明してきました。ですが、世間にはそもそも「判断の重要性」を理解していない人も沢山います。
日々の行動が、自分で下した判断によって選択されたものだという自覚がない人や、深く考えずに場当たり的に行動している人たちです。
一つ一つの行動は全て自分の判断によって決定づけられますので、その人の人生は「判断の積み重ね」によって築かれるといえます。
言い換えれば、充実した仕事もプライベートライフも、よりよい判断の積み重ねによって実現が可能になるということなのです。
まとめ
優れた判断力を持っている人は、自分の進むべき道や行動を見誤らず選択することができます。人は何かを判断しようとしているときにメリットを提示されると、背中を押されたような心境になります。
たとえば高価な物を買おうか否か迷っているところへ、店員が商品のメリットを次々と訴えてきたときのことを思い起こしていただくとイメージしやすいかと思います。
巷には様々な商品やサービスが溢れかえっています。
またそれに準じて、「今ならポイント〇倍!」「販売売上額〇年連続第1位!」等々の宣伝も大量発信されていますね。
仕事場においても、「こうすれば上手くいく」という提案や助言をされることは少なくないでしょう。
しかし、メリットに流されて判断を間違えれば、その先には失敗と後悔が待ち受けています。
周囲から発せられるメリットに流されず、よりよい判断をするためには、日頃から意識的にデメリットに目を向ける習慣を持つことが必要と私は思います。