
代表の独り言
「忙しい」と口にする人は、本当に忙しい人ではない。自分に余裕も持つ事ができていないだけ。
忙しいという漢字は「心を亡くす」と書きます。確かに忙しいときは自分に余裕が持てなくなり、言葉や態度に心を込められなくなることがありますね?
たとえば、おはようの挨拶もしないまま、職場の人の顔を見るなり仕事の伝達をしてしまったり…。
同じ部署の人から話しかけられたとき、「わかったわかった」というような表情をしながら、その場を立ち去ってしまうなど…。
このような余裕のない態度を人に見せるときというのは、大抵心の中で「忙しい」とか「時間がない」と思っているのではないでしょうか。
しかしその反面、分刻みのスケジュールで動いていても、忙しい素振りを見せず余裕綽々の表情で対応してくれる人もいます。
本当に忙しい人が落ち着いた態度でいられるのに、大して忙しくない人がイライラするなんて、何だか変な話ですね。
「忙しい」という言葉で防御線を張る
自分の忙しさを言葉や態度に出す人からは、近づくなオーラのような雰囲気が感じられます。
もしかすると今の職場にもそういうタイプの人がいるかも知れませんね。
或いは学生時代のバイト先で、従業員同士ひそひそとこんな会話をしたことはありませんか?
「今日、店長機嫌悪い?」「悪い悪い。近づかない方がいいよ。」
忙しいと思う気持ちがMAXになると、人はまわりに対して防御線を張りたくなります。
・ゆっくりしゃべってる時間なんてない。
・人の相談なんて受けていられない。
「自分は忙しいから、余計なことをする余裕はないぞ」というのを言葉や態度でアピールすれば、まわりの人たちとのコミュニケーションを最低限の量に下げることができます。
まわりの人たちを断絶して、なんとか自分の時間に余裕を持ちたい…と思っているのでしょう。
忙しい態度はマンネリから生まれる
忙しいという態度をもろに見せる人には、「自分は特別忙しい」と思い込んでしまう特徴があります。
そもそも、勤務時間内に忙しくない人なんているのでしょうか?
時間にゆとりがあり、好きなようにおしゃべりしたり遊んだりしていられる人なんて、世の中ではごく少数派といえるでしょう。
…にも関わらず、私だけは忙しいというような顔をするなんて、いささか横柄なことではないでしょうか。
人は忙しい忙しいと思うことによって、段々と態度が横柄になっていくと思います。
入社したての新入社員は「忙しい!」と口にしたり、自分に近づくなオーラを出したりしませんよね?
新人のときは精神的に一杯一杯で余裕なんて全くないはずですが、誰かに話しかけられたとき「忙しいから後にしてください」などとは言いません。
今の勤め先。以前の勤め先。そして学生時代のバイト先。
これまでに携わってきた職場の人たちのことを思い起こしてみると、忙しがってピリピリした顔を見せる人というのは、下っ端ではなくベテランの人たちではなかったでしょうか。
「今日、店長機嫌悪い?」という会話はどこのバイト先でも聞かれますが、新人スタッフの機嫌が良いか悪いかを確認するような会話は聞くことがありません。
自分が背負っている職務や役割、そして自分が所属している職場というものに飽き飽きしてくると、人間は横柄になっていきます。
初心を忘れていない人は、何年・何十年経っても仕事に対する姿勢が崩れません。忙しくても、自分の仕事の幅が広がったり、職場の仲間から話しかけられたりすることを歓迎するものです。
「忙しいから余裕なし」という態度はクセになる
忙しいから余計なことはできないという態度が出る場所は、仕事場だけに限ったことではありません。
交友関係でも家庭内でも、割と頻繁に起こり得ることだといえます。
付き合いたての頃は彼女のLINEに熱心に返信していた男性が、忙しいからという理由で段々と返事をくれなくなっていくことってありますよね。
さらにマンネリが進んだケースとしては、夫婦の例を参考にしてみるとわかります。
「休みの日ぐらい、遠出したい」と訴える妻に、「今週は忙しかったから無理」と答える夫。
食事をしながら今日あったことを活き活きとしゃべる妻のことを暇な女だなという目で見るようになり、「俺は忙しい。つまらない話を聞く余裕なんてない」という態度をする夫。
…結婚経験がない方でも、何となく想像はできるのではないでしょうか。
忙しいと思い込んで余裕のない人。
それが夫であったり彼氏であったりするのはとても残念なことです。
しかし一番怖いのは、いつの間にか自分がそのような余裕のない態度を人に見せつける横柄な人になってしまうことではないでしょうか。
長く付き合ってきた恋人が一生懸命しゃべっているのに、全く話を聞く気にならないとか。
或いは、職場で若い後輩たちから「今日は機嫌悪くないかな?」という目で見られるとか…。
自分は忙しいという結論を先に出してしまうと、自分以外のものをシャットアウトしたい心境になります。
自分が忙しいか否かを考えるよりも、今抱えていることの優先順位をフレキシブルに変更することを考えると良いと私は思います。
よくよく優先順位を整理してみると、どれもこれも緊急にやり遂げなければならないなんてことは、普通はないはずです。